酒のみのまたの名
酒のみのことを「左きき」といったり「上戸」といったりします。「左きき」の由来についてはいろいろと語られていますが、どれも真偽のほどはわかりません。よくいわれるのは、大工などが右手に槌、左手にノミを持って作業するところから、その「ノミ手」を「飲み手」にかけて、酒好きの人や酒に強い人のことを「左きき」と呼ぶようになったという説であります。



江戸時代の名匠、左甚五郎も「左きき」であったといわれますが、実は利き手が左だったのではなく、酒の方の「左きき」、つまり酒飲みだったことをいったのではといわれています。この他にも、杯は左手で持つことが多いからとか、イキな役者などが格好良く左手で飲んだのを見て同調者が増えたからなどというものであります。実際、右手に銚子、左手に杯というのが酒飲みのスタイルということでしょう。「上戸」については、「酒飲み上戸、甘党の下戸」といわれ、そのもとは紀元前までさかのぼります。秦の始皇帝の時代、万里の長城を防備するための寒い山上の門(上戸)を守る兵士には体を暖める酒を、往来の激しい平地の門(下戸)を守る兵士には甘い物を配ったことが始まりという説があります。